ちびっこクラスのテーマ制作に力を注ぐ

2023.08.30
日々作・ちびっこ 〜 ちびっこのせいさくレポート 〜

2月のテーマ制作は版画です。

「重ねてカラフル!一枚の板でどんどん色を重ねる一版多色木版」

1枚の版木に何色もの絵の具を塗り、
カラフルな版画を作る手法です。

通常の木版は写したい線を残して
周りを彫るのですが、
今回は絵を描くように線をそのまま彫り
黒画用紙に刷るので、
ステンドグラスのような作品に
仕上がります。

絵の具と水の量がポイントで、
調整がうまくできると綺麗に色が出る
という制作です。

版画を学校やアトリエでやり慣れている子は、彫刻刀の持ち方もお手のものです。
ケガをしないよう丁寧に、しかしサクサクと進めていきます。

一版多色版画の面白いところは
一つ形を彫ると絵の具を拭き取って
いろんな色で何度も刷ることができる
というところです。

この方法のキモは
ズバリ「観察」。

使う絵の具の水分量と、
筆に含ませる絵の具の分量を
用途に合わせて
調節することが必要です。

調節のために必要なのが
状態をよく見る
「観察」なのです。

こういう水分量で
塗るとこうなる。

こんなふうに
たっぷり絵の具に
水を含ませたまま
板に絵の具をのせて刷ると
こういう結果になる。

と、例を実際にしっかり
見てもらいながら
進めました。

ちびっこと制作をして
いつも思うのですが、
できるできないの差は
丁寧にコツを
教えてもらっているかどうか、
と、
どうしてそれをするのかの理由や原因と結果を教えてもらっているか、
が大きいように思います。

訳も分からずに
これをこうしなさい、
と言われても

なんで
そうしなきゃいけないのか?
がわからないと
応用が効かないと思うのです。

木の彫り方。
彫刻刀の使い方。

絵の具の水を増やすときの
筆に水を含ませるやり方。

筆の持ち方。

 

相当
細かいところのコツまで
丁寧にやってみせて、
じっさいにやってもらって
確認しながら
進めることが
必要になってきています。

お伝えすれば
できるようになるので、
細く、細かく、
コツをお伝えして
進めています。

それに関係するかは
分かりませんが、
1ヵ月の中の前半を
やれることを増やすテーマ制作、
後半は増えた技術や
知識を持って
より、自由に制作する
自由制作にしていた
アルケミストですが、

年々ちびっこの
制作のスピードが
遅くなっている感じがします。

去年や一昨年までは
二週間でできていた
内容が
できなくなっているのです。

未完成のものばかりだと
終わった!
と言う達成感が
なくなってしまうので、

ある程度の完成を
しっかり見るまではやるのですが、

そうすると
制作によっては
3週間、あるいは
4週間、つまり1ヶ月全部を
使ってしまう、
と言うことになる時があります。

そこで、2月3月は子どもたちが納得できる制作となるまで、月を跨いでじっくり取り組みました。
しっかり完成させて次に進むことも大事ですね。