総論
- 2020.11.27
- コロナを超えて
どうやって制作の時間を守ろう?
学校も習い事もストップしてしまった、緊急事態宣言。
この中でどうやって「ほっとできて、学べる制作時間を作るのか?」
みんなが無理せず参加できる方法は?
話し合った末に思いついたのは、各クラスが連絡事項に使っていた、
ライングループを使って、ビデオトークでオンライン開講をすることでした。

いつもの「アルケミストの時間」をつくろう
ちびっこから大人まで注意したのは以下の点でした。
- いつもと同じ時間・いつもと同じ仲間で行う
- いつもと同じ制作リズムを続ける
- できたものはラインのアルバムにあげて、お互いが見合ってやりとりできるようにする
「オンラインだからできること」に挑戦しよう
オンラインならではの美点を生かそう
ちびっこクラスでは作ったものをお家の方につけてもらって写真を撮る・
作ったもので動画を撮影して、それを作品とする、等
オンラインならではの試みをしました。
中高生クラスはリアル開講では照れくさくてできないような「じぶんと制作のかかわり」を毎回考えて発表し合いました。
足りないものを、補おう
ひととのやりとりや、身体を動かすことが減ることが予想されたため、
ちびっこクラスは手先や感覚をよく使うメニューをいつもより多くいれました。
また、発散できる、お家の方と小さいイベントにできるようなメニューも意識して入れました。
コミュニケーションの場になろう
大人はラインで「談話室」を設けて、毎週同じ時間にライン上に集まりクロッキーをして見せ合うほか、有志が各自決めたテーマで「連載」を上げました。
大人部恒例の自主イベント「読書会」もオンラインで行いました。
ちびっこクラス:おうちのかたへのオンライン開講室のご説明
オンライン開講の日々
みんながいつも通っていた曜日・時間に、クラスのグループラインビデオトークを立ち上げます。そこに、月曜日だったら月曜クラスの子達がグループビデオトークに集まりました。画面をみて、みんなが集まったら
まず、8分のクロッキー。その後、制作。
時間が来たら片付けて、解散後にアルバムにあがる作品を見あう。
ほぼリアルのときと同じリズム・同じスケジュールで行いました。
大人クラスは『談話室』というグループラインを設けて、定期的にコミュニケーションをとりあえるようにしました。
曜日・時間を決めてクロッキーをして、各自の制作の進捗状況を発表しあったり、面白かった映画を教えあったり、なんということはない雑談をしたり。。ということをオンラインで行いました。いつもの課外活動「読書会」もオンラインでおこないました。背景を変えて宇宙から参加する人もいて楽しかったです。
結果、もたらされたもの
ちびっこから大人まで、リアルだけでは決してわからなかった個々のポテンシャルやお互いの世界を見合うことができました。
特に中高生クラスはすごかった。。。。
画面越しでも「一緒に制作する楽しさ」は味わえる、と実感できたことが最大の恵みでした。
また、オンラインだからこそ成立した、おうち時間を過ごすヒントや何気ないつぶやきを言い合えた、ちびっこクラスのおうちの方同士の交流が生まれたことも嬉しいできごとでした。
ちびっこクラスは玉川大学の農学部の学生さんにゲスト先生になっていただいたり、ちびっこが仲間に教える「こども先生」をやってみたり、と新しい試みもしました。とくに、ちびっこが先生になってちびっこに教える「こども先生」はコミュニケーションの勉強になった様子でした。
課題
一方で、様々な配慮と工夫はしたものの、オンラインに馴染まない、楽しめない子がいたのも事実でした。
各クラス1名前後でしょうか。
- アルケミストに通い始めたばかりで、基本の制作技能に未修得部分が多い子
- とくに、「見て描く」のが好きで得意な子
- その場に身を置いて、周囲のざわめきや、みんなの様子など、色々な空気を感じること自体を楽しんでいた子
の中で、オンラインで楽しめない子がいたようです。
予想外だったのは「とくに、『見て描く』ことが好きで、得意な子」の一部に馴染めない子がでたことです。
オンラインに合う・合わない、は年齢によるものではなく、
- コミュニケーションの取り方の好み
- 情報を得るときの好み
つまり、その場の全体を感じて判断するのがより好きかどうか?
によってわかれたような気がしています。
オンラインに馴染まない子は、やりようによってはオンラインも楽しめるようになるのでしょうか?
緊急事態宣言中、小中学校のオンライン授業を行なっていた羽田の実感からすると、自発性がない限り、オンライン学習は有効に働きづらいと感じています。
でも、アルケミストのちびっこは好きで通っているわけですから、モチベーションは前向きなのです。
個々人の自発性とは別に、その人の身体的な情報収集の癖やコミュニケーションの取り方のタイプで、オンラインという学びに向き不向きがあるのではないだろうか?
ここは現在、地道に調べたり勉強したりしているところです。