中高生クラス

2020.11.27
コロナを超えて

カリキュラム箇条書き

全体の流れと留意点、ストーリー

リアル開講では緩やかな課題はありつつも基本としては各自好きな制作を進めてもらっている中高生クラス。

オンラインでは「デッサン」「自分とアートのかかわりを考える」を、時間があるこの機会にしっかりやってみよう、という試みをしました。

大人の方も飛び入りで2名参加したせいでしょうか、オンラインだと雑談がしずらいせいでしょうか、いつものふんわりした中高生クラスとは少し違った、がっつりと取り組む雰囲気のオンラインクラスとなりました。

羽田個人的にも、非常に高い緊張感を伴って行なったクラスでした。

デッサンのデリケートなレクチャーをリアルならやって見せれば済むところを、画面だけで理解してもらわねばならなかったからです。
20年おこなってきたなかで、おそらく、一番準備に試行錯誤をして時間をかけた講座でした。

毎回の流れ

  1. お題の発表
    「アートの才能」ってなに?何ができたら才能があるっていうの?などなど、事前に出たテーマ(お題)について、自分でまとめた意見を発表する
  2. クロッキー
  3. その日のテーマ制作
  4. 個人制作の個別相談があるひとは居残りで、個々に順番に相談

得られたこと

平和なリアル開講時だけでは決して解り得なかった、お互いの制作ポテンシャルを垣間見ることになりました。

また、対面ではちょっと照れてしまうような「自分のことや、アートで感じていること」を文字にまとめたことは、お互いの根本的な考え方を知ることにつながったため、かなり刺激となった様子です。

カリキュラム箇条書き

【1回目

「デッサン事始め」デッサンの語源や定義、描き始める前のものの捉え方の実験などをしました。今回は意識をしてものを見る(LOOK)とただ見えている(SEE)は違う!ということがなんとなく体感できたらよかったかな、と思います。

お題:お題についての説明と、初回お題の提示

【2回目】

鉛筆の持ち方とグラデーションを説明鉛筆を寝かして描くのと、立てて描くのは線の結果と用途が違う、というのがポイント

お題:「アートの才能」ってなに?
「美術の才能がある」があるって、具体的に何ができたら「才能がある」っていうの?

【3回目】

明日は陰影について・反射光を知る、実際にカップを描く

お題:

  1. 「好きな本(漫画・ゲームも含む)」を3つあげて、それぞれどこが好きか書く
  2. どうして受験にかんけいないのに学校の授業に美術があるのか?目】

【4回

(カップの制作をふまえて)楕円の描きかた・ハッチング・りんごを描く

お題:ひとの心を捉える絵」って、ふつうの絵と何が違うのか?

【5回目】

質問受け付けの回
いままで紹介された描き方を自分のものにする回
カップの絵に加筆することで、楕円の描き方や、ハッチングなどの描き方に慣れてもらう

お題:2つの有名な現代アートの画像をみて、なぜ、これが有名で、美術館に置かれるアートになったのか、
予想で答えてください。わからない場合は調べても可。
それをふまえて、「現代アート」とふつうのアートの違いを自分なりに答えてみてください。

【6回目】

箱を描く①(パース、透視図法について)まずは箱を描く手順に慣れてもらいたかったのと、「パース(透視図法)」の意識がないと箱がへんな形に描けてしまう、ということを体感する回

お題:
マンガって、アート?アートじゃない?
①アートです ②アートじゃないです、の両方を考えて書いてみてください。
①マンガはアートだ!と仮定して・・知っているマンガの中で「これはアートだよ」というのがあったら紹介してください。選んだ理由も書くこと。

【7回目】

箱を描く②(箱の測りかた)鉛筆で測って箱を描く実際をやってみる回。これが一番大変だったかも。。。

お題:
身の回りで「自分が美しい、きれいだなと思うもの」の写真を1~3枚程度撮る
動きがきれい、音がきれい、等も可。動画も可。撮った写真についてそれぞれ、
●どこが気に入ったのか
●絵にするならどこが一番言いたいところか を書く

【8回目】

(自分で選んだ写真をもとに)構図について
伝えたいことをしっかり伝えるためには、どういった構図か考えられるのか?
を考える

お題:前回撮影した写真を絵にするなら、その絵で何を伝えたいのか?を書く