好きなものを作ろう!アルケミストの自由制作

2022.04.06
日々のこと

ちびっこクラスの月の後半は、
自由にいろいろなものを作って良い自由制作です。
月の前半は
やれること・しっていることを増やすために共通のテーマがある
テーマ制作をしています。

この日の自由制作は針金でドラゴンを作る人や、
射的のまとを作る人、
好きな魚の絵を描く人や、
粘土作品のエスキースをする人、

「子ども先生」をするために
工作の練習をする人などなど
様々な制作が進みました。

子ども先生とは、アルケミストのワークショップで、
ちびっこなんだけど先生役をしてくれる、
というスーパーちびっ子のことです。
各クラスで1名から2名ずつお願いしています。

アトリエアルケミスト制作風景

 

最近少し心配なのは、自由制作の日に、
材料庫で
「自由制作がいちばん困るんだよね…」と
つぶやく人が増えたことです。

アルケミストの22年の歴史の中で
今までは、自由制作になると
がぜん張り切って制作する子がほとんどでした。

でもここ数年で
「お題を指定されるのはあまり好きじゃないけど、
いざ自由制作していいよ!と言われたら
やることが自分でみつけられない」
という子がとても増えました。

その傾向は、コロナがあってから
確実に加速していると感じています。

みんなでやるテーマが決まっている
テーマ制作を、
え〜やだ〜、好きじゃない、と言う子がいます。

でも、「じゃあ、自由にしていいよ」
と言われると、その子はぽかん、としてしまう。
自由制作の日、自分では考えられずに
「先生、何やるか決めてよ」って言うんです。

そういう子は、
やりたいものがあるから「テーマ制作が嫌だ」
と言っているのではなくて、

なんとな〜く強制されるような
イメージがあるから、
それがイヤって言っているだけなんですね。

こんなふうに、
いまの自由制作は
すぐに自分の制作を決められない子が増えました。
どんどん自分のやりたいことを持ってくる子が
じわりじわりと減っています。

「何やりたいのかな?」と問うて
自分の中から「やりたいこと」を
汲み上げていく事ができない。

こんなに自由に作る場があるアルケミストでそうなら、
ほかの場ではどうなっちゃうんだろう?
彼らはどんどん新しいルールや社会の仕組みを作っていく
世代になるのに。。。。

そう言うと大げさみたいですが、
やっぱりすごく、危機感を感じます。

与えられた選択肢のなかから
「自由に」選ぶことに慣れすぎているのでしょうか。

やっぱり、
いろいろな実際の道具や材料とやりとりする経験や
「道具がない」→作ろう
「材料がない」→代わりになるものは?
といったような「ない」から自分で工夫する経験
の積み重ねが必要なんだろうなと感じます。

せっかく自由にやっていいよ、という場があって、
道具も材料もあるのだから、
止められるくらい、いろんなことを
やってほしいな、と思います。

アトリエアルケミスト子どもクラス